
マリナーズはイチロー外野手(33)と、2012年まで契約延長したことを発表した。
各メディアによると5年総額9000万ドル(約110億円)で、年平均1800万ドル(約22億円)は歴代4位。
従来の1番打者の枠を超えているイチローへの、評価の高さを証明した大型契約となった。
試合前に記者会見したイチローは、
「5年後は10年契約を結べるようになりたい」
と、現役で48歳までプレーする“生涯マリナーズ”を誓った。
生涯マリナーズ宣言。
イチローが野球人生最大の決断を下した。
「ひとつのチームで長い間プレーすることは、多くのプレーヤーができることではない。
その可能性を与えてくれたことに大変感謝しています。
今季残りを考えれば5年半、思いっきりやって、あと10年(の契約)を勝ち取りたい」
契約満了となる2012年は38歳でプレーし、10年後は48歳。50歳まで現役を目指す背番号51の決意表明だった。
今季でマ軍との4年契約は切れる。
迷い悩んだ末の結論だった。
「この街に来たらどうなるだろうと、遠征先のベッドに入ったときにも考えることってある」
ヤンキースやカブスなど強豪と対戦の際、ファンや地元メディアから“イチロー待望論”が聞こえてくることが何度もあった。
「『来年はウチのチームに来てくれ』と。正直、心が動いた時期もありました。
日本に戻ってきてくれとも、たくさん聞きました」
それでも最終的に心に強く、重く響いたのは、地元ファンの「シアトルに来年も残ってくれ」というストレートな言葉だった。
球団史上初のワールドチャンピオンを本気で狙っている。
「この2~3年、苦労してきたチームがようやく実り始めた。
今後5年というのは十分に可能性のあるチームで、あり続けることができると思っています」
その思いがチームメートにも伝わっていることも確信した。
「野球に対する価値観が全く伝わらないのはツラい。
幸いこのチームには何人か価値観を共有できる人がいるので、確かに僕の大きな助けになった」だからこそ残留を選択できた。
勝利を渇望する集団への変貌(へんぼう)。
“イチローイズム”は確実に浸透しつつある。
クラブハウスで隣のイバネス外野手は「職業観や入念な準備をする部分を最も尊敬している」と語り、城島健司捕手も
「マリナーズを選んだのはイチローさんがいるからと言っても過言ではない。
素晴らしい選手を近くに感じて1年でも長く野球をやれるというのは、プレーヤーとしても非常に大事」と目を輝かせて喜んだ。
この日の試合前、「イチローがシアトルを2012年までホームと呼ぶことになった」との掲示とともにスタンドのファンにあいさつした。
「よろしくお願いします、お手柔らかに」大歓声の中、かつてないほど、深々とお辞儀をした。
シアトルとイチローがひとつになった。